一般的に、体力勝負の救急救命室や夜勤の多い病棟での勤務は、50代のナースにとって負担が大きいといえます。そうした現状から、50代以降になって病棟以外の職場に転職を希望するナースは少なくありません。

健診センターや人間ドックをはじめ保健所や献血ルームであれば、基本的に日勤だけであり、身体への負担を減らせます。救急救命センターのような迅速さや最新の医療技術を求められることもありません。また、こうした職場は原則として予約制なので、急患の対応に追われることもないでしょう。

豊富な実務経験を活かしたいというナースなら、看護学校で教育者になったり、指導的立場に立てる医療機関へ転職したりするという選択肢もあります。慢性的な人手不足に悩まされる医療現場では、即戦力となるナースの育成が欠かせません。

新人や若手の育成には、実務経験の豊富なベテランナースが不可欠です。そんな中、第一線で活躍してきた50代のナースは、看護学校や他の医療現場でも指導役として重宝されるでしょう。
特に、実務経験と専門的知識を活かして認定看護師や専門看護師などの資格を取得したナースは、医師がいない看護専門外来などでも歓迎されます。看護専門外来では、退院後の療養などについて、ナースが患者さんや家族の相談に乗っています。

また、様々な診療科を経験して総合的な医療知識を備えたナースは、福祉施設での勤務や訪問看護などの現場でも、唯一の医療従事者として頼りになる存在として活躍できます。
このように、ナースとして確かなスキルを持っていれば、50代となっても転職することが比較的容易だといえます。